「シルビー・バルタン」

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さくらい  ●会社員 (65) 

私の世代の人で、彼女を知らない人はいないだろう。
「アイドルを探せ」は空前のヒット曲となった。
今、そのリズムを口ずさむと60年代を身近に感じることができるような気がする。
彼女がテレビ画面に登場すると、私たちはその前に釘付けになったものである。

躍進する日本の中で社会の構造自体に亀裂が走りはじめ、社会的ストレスがその亀裂から噴出していったのも60年代だった。

学園紛争もその一つであったであろう。
それも60年代の終わりには全国の大学を襲った紛争も鎮火し、70年代へと移行していく。

70年代に入ると、今度はオイル・ショック。
日本社会の躯体そのものを揺るがしかねない事態だった。
現実の社会は変動する世界的な諸要因のバランスの上にどうにか体勢を保っていただけなのだった。

別に60年代を懐かしむつもりではないが、やはり懐かしく振り返る人も多いのだと思う。
バルタン星人(怪獣?)と名づけた人もたぶん思うにシルビー・バルタンを懐かしんでのことであろう。