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「ふく司」
 巌流島  ●会社員(48)

冬の定番であるふぐ料理を食するため久しぶりに銀座のふく司の暖簾をくぐった。
もうふく司とは長い付き合いになる。
ふぐも毎年食べに行っている。
毎年ふぐのシーズンには2〜3回顔を出してきた。
何年経っても変わらぬ味である。
別に贅沢を言うつもりではないが、いまではふぐよりもオフシーズンの季節ごとの会席料理のほうが私は好きである。
七重八重とまでは言わないがふく司の味の奥深さ、何重にも濾した味付けにはただただ賞味するという言葉が一番似合うように思える。
ふく司に通ったお陰で私の舌はかなり贅沢になってしまったように思う。
無頓着であったはずの私も今では味付けには随分とうるさくなってきたようである。
料理にかぎらず何事もその域に達したことがないかぎりその先は見えてこない。
それはまさに道理であろう。


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