「一松便り・1月号 <お題・お節料理> 」

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山口 ●茶寮一松  


若女将でございます。
改めまして、新春のお慶びを申しあげます。
皆様、穏やかなお正月を迎えられましたでしょうか。

今回は、お正月にちなんで「お節料理」を取り上げてみました。
どうなんでしょうか、お節料理ぐらいなら知ってるさ、毎年お店で買って、正月には我が家でも食してるよと言われる方は多いと思います。

そうなんですよね、今では立派なお節料理が店頭に並んでいて手軽に買える時代なんですよね。
私の祖母の時代まででしょうか、各家庭それぞれのお節料理があって、年末にかけて一生懸命お料理していたのは。
大変だったと思いますよ、その頃って祖父母のもとに、何世帯もが帰省し、一緒に正月を祝った時代ですからね。
BUT でも作り手も自慢の腕の見せ所って感じでしたのでしょうね。

それはさて置き、お節料理の「縁起言葉」って、なんて言うか粋なんですよね。
縁起言葉に彩られたお節料理が出てきたのは、江戸時代後期なんですって。
今から二百年余り前に花開いた町人文化の爛熟が、粋な言葉やユーモアな心を育んで行ったのでしょうね。
豊かな心を持ち合わせていた時代と言っていいのだと思います。

では、縁起言葉のいくつかをご紹介しますね。
 黒 豆:(黒)は、日焼けした健康色を、(豆)は、まめに働く。
 昆布巻:(養老昆布)と書いて、「よろこぶ」と読ませる。
 お多福豆:多くの福を招来する豆。形がお多福の様。
 数の子:子宝に恵まれる。
 きんとん:(金団)金色のかたまり。金運。
まだまだありますけど、お時間のある方はお調べになっていただけますか。

時代は移り変わり、お節料理も店頭に並ぶ時代になりはしましたが、あの頃の「粋で、ユーモアたっぷりな心意気」だけは、次の世代にも語り継がれて行けるなら、それはそれで良いんでしょうね。

お正月ということで、今回は、お目出度いお話にさせていただきました。

茶寮 一松