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 hide ●スポーツライター修行中 (24)   .

連載の写真素材を漁りにふらりと散歩に出掛けた。
だぶだぶのユニホーム、泣きべそ、とんでもないエラー、黄色くもない母親の声、ジャージィーに何所ぞで買ったか分からない帽子に身を包むお父さん。
ありふれた日曜日の昼下がりの野球風景。
  しかしそこには決定的に欠けているのもがあった。
昨年中田英寿が盛んに訴えた『声』だ。閑散としたグラウンドに一時的に響いていたのは全て大人達の声だった。寂しい限り。
  広辞苑を引いて『声』の慣用句を探せば「声が通る」、「声を限りに」、「声を掛ける」など様々に39の用途がある。
その大半が良い意味で使われている。
  10月に日本国籍を取得し五輪代表を狙う田中マルクス闘莉王は、高さと共に味方を鼓舞し、後方からコーチング出来る『声』を買われて候補入りを果たした。
  また2月1日が来た。
球旬到来だ。
各地でプロ野球チームがキャンプインした。
昨年以上の飛躍を誓う主力選手、その座を虎視眈々と狙う若手達。
それぞれが今年にかける思いを胸に秘め、汗を流し、『声』を張り上げる。
開幕が待ち遠しい。
以心伝心が培ってきた今までの日本文化。
そこに『声』を加えたこれからの日本{文化を考えてみてはいかがだろうか。