「世の中捨てたもんじゃないか!」

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ミスターL  ●会社員(37) 


単純な私にはそう思えた。
テレビを見ていてのことである。

神戸のあの大震災で父親を亡くした息子と母親の物語である。
15歳で彼は母の元を離れて住み込みで料理屋の見習いになった。
15歳と言えば普通ならまだまだ遊びたい盛りである。

彼がけな気に働く姿が画面に躍っていた。
同じく住み込みで働く母親に電話する彼が言った言葉は、母親への電話は彼にとって、生きて行く為のまさに「お米」であると。
私も若いころ、おふくろに話をするだけで気持ちがスッとして、またがんばろうと思ったものである。

それにしても、屈託のない表情を見せて働く彼の姿を見てまた勇気付けられた。
そんな話を他人にしてみたら、15歳の彼に教えられるものがあるって、年の差を考えるとどうなんでしょうねと言われてしまった。
私が単純なのか、でも年に関係なく受け入れるものがあれば素直に受け止めることは大事なことだと思っている。
感動できるうちはまだまだ若いと勝手に思うことにしておくことにした。