「子離れ」

《PR》

山根清眠  ●会社経営 (51)

はやく家から出て、一人で生活してみろとかそうすれば親のありがたみが分かる筈だとか日頃は息子の顔を見るたびに、そう言っていた私が、いざ息子が家を出ると聞いた途端、一人で何でもかんでもやるのは大変だぞと、もう心配の虫が私の心のなかで大きくなっていく。

小さい頃はかわいくて仕方なかった息子も今では生意気な口を利く事しか知らないみたいに振舞っている。

息子と付き合ってから20余年、
こども、子供としてしか彼を見てこなかった。

彼が家を出ると言ったのを受けて、ふと思った。
この20余年、彼こそ私のことをどんな目で見て来たのだろうかと。

彼との付き合いの中で、成長していなかったのは私の方かも知れない。
彼の人生に最高のエールを送りたい。