「夏休み」

《PR》

山根清眠  ●会社経営 (51) 

小学生の頃、夏休みの一日は先ず朝のラジオ体操から始まった。
首には出欠カードをぶら下げて、眠気まなこで広場に集まり、みんなと一緒になってラジオから流れてくる曲に合わせて体操をしたものである。

ただ誰が見ても体操と言うより、ほとんど踊りに近いものだったと記憶している。
体操が終われば、カードに出席の判を押してもらった。
それで最低限の義務(?)は果たしたことになった。
それから家に帰って朝食をとり、午前中は休みの宿題をやった。
これも学校の先生から言われていた日課の一つだった。

昼になると、昼食を終えてからしばらくはお昼寝の時間があてがわれていた。
昼寝が終わると外で遊ぶことが許された。
当時は家の周りにもセミの声がして、網とかごを持って虫取りに夢中になったものだった。
麦わら帽子はその姿に欠かせないものであった。

今でもあのセミの声ははっきりと思い出せる。
暑い夏には、セミの声と麦わら帽子、それに虫取り用のあみ。
夏休みを飾る道具として思い出すのは、そんなところではないだろうか。