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なかにし礼『兄弟』のあらすじ

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なかにし礼『兄弟』

なかにし礼『兄弟』

昭和を代表する作詞家で小説家でもあるなかにし礼さんの衝撃の自伝的小説をご紹介します。

作者さんはどんな人?

 本名は中西禮三さんとおっしゃいます。

昭和歌謡曲の一時代を築いた作詞家です。

日本レコード大賞を3回、日本作詞大賞を2回受賞されています。

アン・ルイスさんの「グッド・バイ・マイ・ラブ」(1974年)、北島三郎さんの「まつり」(1984年)、こちらはキタサンブラックが優勝したとき歌われていたので、聞いた方もいらっしゃると思います。

菅原洋一「今日でお別れ」(1969年)、TOKIO「AMBITIOUS JAPAN!」(2003年)、由紀さおり「手紙」(1970年)書ききれないヒット曲の作詞家です。

 クラシックにも造詣が深くオペラ「ワカヒメ」や「ヤマトタケル」などの台本を手掛けていらっしゃいます。

 華やかな活躍をされていらっしゃいましたが、その人生は壮絶なものだったそうです。

1938年満州国に生まれました。

ご両親は満州で成功していましたが、日本の敗戦により命からがら日本に引き揚げてきました。想像を絶する帰国だったそうです。

 8歳で小樽に戻りましたが、この本の重要な登場人物の兄のせいで小樽にいられなくなります。

小学校は青森と東京とで育ちます。中学からは東京に落ち着かれました。

苦労して立教大学を卒業します。最初はシャンソンの訳詞をされていましたが、偶然出会ったスター石原裕次郎のおかげで作詞家の道を歩むことになります。

 1998年にこの小説『兄弟』で直木賞候補となりました。2000年には『長崎ぶらぶら節』で第122回直木賞を受賞されました。  

 小説は『赤い月』『てるてる坊主の照子さん』などがあります。

なかにし礼『兄弟』:この本はどんな本?

 1997年オール讀物に連載され、1998年に文藝春秋社から出版されました。

2004年からは新潮文庫として刊行されています。

 1993年ドラマにもなりました。『兄弟~兄さん、お願いだから死んでくれ~』、豊川悦司さんがなかにし礼を、ビートたけしさんが兄を演じられました。

なかにし礼『兄弟』:あらすじ

 「兄が死んだ……私は小さな声で万歳!と叫んだ。

16年待った」という暗たんとした書き出しではじまります。兄は14歳年上です。戦争中は学徒出陣で出征し、特攻隊として散る前に終戦となりました。

 満州から命からがら引き上げてきた一家がようやく故郷の小樽にたどり着きました。父はすでに戦争で亡くなっています。落ち着いたのもつかの間兄が女を連れてやってきます。

調子のよい兄は仕事もせず一攫千金をねらっています。

ニシン相場に手を出して失敗、一家は小樽の家をうしなってしまいます。

 貧しい一家は兄に振り回されながら、東京、青森、東京と落ち着きません。

それでも母親は兄を大事にします。

兄はまともな仕事はしていないようですが、いつも景気のよい話をします。

兄は洒落もので、ダンスや音楽にもある程度詳しく、私が音楽にめざめたきっかけをつくったともいえます。

 苦労しながらも大学を卒業し、シャンソンの訳詞から作詞家へと、私は成功していきます。数々のヒットに恵まれ、表舞台では華やかに脚光をあびてゆきます。

 しかし、そんな成功した弟を兄が放っておくはずはありません。兄の尻拭い、借金の返済をしなければならないはめになってしまいます。

 稼いだお金はすべてこの借金のために消えてしまい、それでも足りません。心労で倒れてしまいます。

 我慢の限界、ついに兄を絶縁します。

 そして16年後、兄の訃報が届きました。兄には巨額の借金がありました。

なかにし礼『兄弟』:感想

 終戦後の貧しく混乱した時代が生々しく伝わってきます。

兄は、「特攻で死に損なった」自分がいやだったのかもしれません。

兄にとって戦後の人生はオマケ、おもしろおかしく暮らさなければ生き残った意味はなかったのでしょうか。

 この時代だったから、こんな兄になってしまったのか、それとももともと山師的性格だったのでしょうか。兄の存在そのものが、「私」の不幸の元となっています。

 父親がすでになく、14歳も年長の兄は父の代わりでもあります。都合のよいときだけ家長としてふるまい、実際は何一つ家族を支えてくれないろくでなしです。

 そんなろくでなしでも兄弟です。肉親ってめんどくさいですね。夫婦なら離婚できるのに、兄弟は死んでも兄弟ですから。

 「私」が成功すると、兄は当然のように「私」のお金を吸い上げていきます。弟のものは当然自分のものだからです。その感覚が理解できません。

 このとんでもない兄の暴走を弟は止めることができません。日本の歌謡界に君臨し、華やかな世界の住人にみえる弟はいくつになっても兄の魔の手に捕まっています。

 とうとう兄を絶縁しますが、もっと早くそうすればよかったのに、それまでよくがんばったと思います。奥様もよくがんばりました。

 そして16年後、万感の思いで「万歳」というのです。兄の死で、「私」の辛い戦後がようやく終わったのではないでしょうか。

まとめ

 肉親、家族について考えさせられる『兄弟』は大変読み応えがあります。

こんな家族がいたらお手上げですが、乗り越えてこられたなかにし礼さんはすごい方です。一読をお勧めいたします。

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