見知らぬ人でなく、いまだに思い出す映画である:淀川長治 日曜洋画劇場

映画

団塊の世代のみなさん、そうではない50代・60代・70代・80代以上の皆さん、こんにちは”アキラ”です。

 
【見知らぬ人でなく】という映画を
淀川長治さんの解説から始まる日曜洋画劇場で見た記憶がある。

まだ、当然モノクロの時代の作品である。

淀川長治
 
どれだけの人が覚えているのか分からないが、本当にほんの少しだけ内容を。

医学を志す若者が年上の資産家の女性に近づいて行く。

最終的に、彼はその女性と結婚し、彼女の資産と家柄をバックに社交界にも出て行く。

あわせて株の世界にものめり込んで、大いに成功を収める訳である。

さすがに遠い昔のことではっきりとは思い出せないのも事実だ。
 
 
ここまでの話なら、何の面白みもないだろうが、世の中そうそう上手く行くものではない。

華やかな社交界で脚光を浴びていたのも束の間、株の暴落で彼はその資産を失うこととなる。

金の切れ目が縁の切れ目とはよく言ったもので、没落していく人間に世間は容赦ないのだ。

そんな彼が帰るところはただひとつ。

あの年上の女房の待つ家である。
 
見知らぬ人でなく
 
全てを失った彼がその家に帰ってみると、ドアを開けたそこにはその年上の女房が笑顔で向かい入れてくれたのだ。

この瞬間にこそ、「見知らぬ人でなく。」のタイトルが活きて来るのだ。

このドアを開けた時に年上の女房がそこに立って待ってくれていた、そのシーンだけはいまだに覚えている。

順風満帆な時は自分の力と勝手に勘違いするもの。

しかし、ふと我に帰った時、そこには別の真実の風景が見えるのだと思う。

この映画、どうしたことか、こうやってたまに記憶の中で蘇ってくるのだ。

そんなこともあって、今日の日記に載せてみることにしたわけである。

  • 解説
    「ケイン号の叛乱」に続きスタンリー・クレイマーが製作初の監 督に当たった作品。モートン・トンプソンのベスト・セラー小説から、「暗黒の恐怖」で1950年度アカデミー書下ろし原作賞を得たエドナとエドワード・アンハルト夫妻が共同脚色し、「ケイン号」のフランツ・プラナーが撮影、「平原児」のジョージ・アンシールが音楽作曲、「失われた少年」のジミー・ヴァン・ヒューゼンとバディ・ケイのコンビが主題歌詞を担当した。主演は「わが従姉レイチェル」以来銀幕を遠ざかっていたオリヴィア・デ・ハヴィランドと、「零号作戦」のロバート・ミッチャム、「三人の狙撃者」のフランク・シナトラの3人で、「夜の人々(1954)」のブロデリック・クロフォード、「スタア誕生(1954)」のチャールス・ビッグフォード、「復讐は俺に任せろ」のグロリア・グレアムらが助演する。
  • ストーリー
    幼少から医者に憧れを抱いていたルカス(ロバート・ミッチャム)は母の計らいでその道に進む事ができたが母の死後のんだくれの父に学資を使い果たされ退学処分を受けそうになった。がアーロンス博士によって助けられた。その頃手術の見学をとり計らってくれたクリスチナ(オリヴィア・デ・ハヴィランド)と親しくなり、彼女の友達の家へ親友アルフレッド(フランク・シナトラ)と共に招かれた時、彼女が、金持ちであることを聞いた…
タイトルとURLをコピーしました