体育の日

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 赤胴すずの介  ●会社員(58) 

体育の日という祝日がある。
その祝日の意味を知っている人、覚えている人はどのくらいいるだろうか。
64年10月10日、日本晴れの東京で開催された東京オリンピックのまさにその日を記念してのものなのである。
開会式が挙行された競技場の晴れ上がった上空に戦闘機のジェット雲によって描かれた五輪の晴れ晴れしさを私は今でもはっきりと思い出すことができる。
日本国民が敗戦から立ち上がり復興からそして戦後を過去のものとするにふさわしい一大イベントであった。
その大会の興奮を引きずるように、映画「東京オリンピック」が空前の興行成績を残したのだった。
今までのものとは違い、単なる記録に留まることなく、競技選手の緊張の一瞬をカメラは追いかけていたのだった。
そのために、「記録か、芸術か」と言う論争まで引き起こしたのであった。
協議に向かう選手たちが見せる人間としての苦痛の表情や緊張感が大画面に写されていったのだった。
東京オリンピックを知る者として、もう一度あの映画の中に躍進する自信に満ちた日本の姿を思い出してみるのもいいかもしれない。
あの時に立ち返ってこれからの日本を見つめなおしてもいいのかも知れないと思うのである。