二十四の瞳(高峰秀子が大石先生を演じた)

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二十四の瞳

私が見たのは高峰秀子が大石先生を演じた二十四の瞳である。

瀬戸内のどこか小さな島の寒村を舞台に展開していくドラマだった。
大石先生と１２人の生徒たち。日本は戦争へと突き進み、その中で先生と１２人の子供たちの運命も大きく影響を受けて行くことになる。
作者はそんな戦争の悲惨さ、その中でも強く生きて行こうとする人たちの姿を描いている。
でも正直言って我々は戦争を知らない世代である。

いくつぐらいまでだったろうか。
戦争に行った経験のある人からの戦争体験の話を随分聞いたものである。
私のおじさんなんかは２回も大陸に行っているにもかかわらず、そのおじさんの口からは一度も戦争の話はなかった。
うちの親父なんかもそんなに話をするタイプではなかったが、親父の場合は軍属としてインドネシアへと渡り通信兵として働いていたようである。
その時代の戦利品がなかなか切れ味のいい大きなハサミであった。
親父から聞いた話では、上官から当時インドネシアに残っていたオランダ軍人の家庭に一人ずつ行って、なにかを奪って来いとの命令で、親父は仕方なく
オランダ人家庭にあったハサミを一つ持ち帰ったと言うのであった。
インドネシア時代の親父の写真が残っている。

軍刀を持って撮った、その親父の写真はどうみても強そうではなく、ハサミくらいしか奪って来れない人間であることを表していた。
終戦後は一部の日本兵はインドネシアの独立運動に参加したと言うが、親父は捕虜となって針金を腰に回してそれにピース缶をひっかけ支給を受けたタバコを
缶に入れて、大きな船の底で小麦粉の運び出し作業をしていたと話していた。

１２人の子供たちの、それぞれの運命を描いていくなかで決して忘れてはいけないこと、語り継いでいかなければいけないことをひとつの映像として残していく
義務がこの時代にこそあるのだと思う。

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『二十四の瞳』（にじゅうしのひとみ）は、1952年（昭和27年）に壺井栄が発表した日本の小説である。
第二次世界大戦の終結から7年後に発表された小説で、作者の壺井栄は、自身が戦時中を生きた者として、この戦争が一般庶民にもたらした数多くの苦難と悲劇を描いた。