1. TOP
  2. コラム
  3. まったなし

まったなし

コラム スポーツ この記事は約 5 分で読めます。 176 Views

 hide  ●スポーツライター修行中 (24)     

空想、いや限りなき妄想である。
もしも格闘ボーダレスの現在に、昭和の大横綱千代の富士が総合格闘技のリングに上がったとしたら・・・。
格闘家に転向かと最近週刊誌を賑わしている、横綱朝青龍の比ではない程の話題をさったこと必死。
それは一先ず置いておいて今場所よくよく考えてみれば焦点が当てられているのは、本場所中にも拘わらず本業の相撲ではなく横綱の素行や他競技へ移籍の噂話し。
つまり国技である相撲にさえ年々危機が囁かれていると言える。
 その原因として外国人力士全盛のなか日本人力士の低落、人気力士不在、手に汗握るいわゆる大相撲の減少が挙げられるだろう。
 では人気低迷の陰に潜むものはなにか。それは「怪我」だと言える。
最近では千代大海、栃東、魁皇、武双山、雅山など三役・大関までの地位を得て世間が持てはやし、綱取りの期待を抱かせるが怪我により期待を裏切り続けた。
そして足踏みをしている間に朝青龍にまんまと出し抜かれてしまった。
それに対して豪を煮やした相撲協会が堪りかねて決断を下す。
昭和47年初場所以来続いた公傷制度を、2004年初場所から廃止した。
公傷制度の具体的な内容は後に任せるが、要約すると場所中に取り組みで負った怪我が公傷と認められれば、休場しても番付は元のまま下がることはないとある。
生身の肉体がぶつかり合う競技だけに怪我は付き物である。
しかし人気と期待を背負い土俵に上がる力士が尽く昇進を怪我で見送ることを、歴代の名力士達は甘さによるものだと受け止めた。
それゆえの公傷制度の廃止と相成った訳である。
とはいえこれで事態が急変するかといえば、上手く事は運ばないような気がする。
根本からの改善をしようという心構えが感じられない。
多少の傷を負ったからといって休場するなという根性論に着地点を見出すのでなく、なぜ怪我をするのか、つまり怪我を誘発する原因となる自己管理を見直すべきなのではないか。
まず食事面。
相撲取りイコール「ちゃんこ」と言われるくらい両者は切っても切り離せない関係にある。
所謂「ごった煮」の鍋料理である「ちゃんこ」は、魚、鶏肉、豚肉などと大量の野菜を一緒に煮込むために、栄養バランスが優れている力士の体を作るには最適の食事とされている。
ところが体を作るのに良いとされる食事にも弊害は潜んでいる。
しっかりと噛まずに流し込むように食すことで胃腸が働きすぎて熱を持つ。
この熱を冷まそうと、体内の水分が臓器周辺に偏るため、体のバランスが崩れる。
そして腰やひざを痛める原因となる。
大量に食事を取る上、体重が重い力士の大半に腰やひざの痛みがあるのはこのことによる。
 また最近若い力士の中には「ちゃんこ」よりも、コンビニや外食を好む傾向が見られるようだ。
相撲を取るには筋肉と脂肪のバランスが取れ、骨にも十分なカルシウムが沈着されている状態が望ましいのに、外食が増えることでカロリーは摂取できるが、たんぱく質やその他の栄養素(ビタミン・ミネラル)の摂取が不十分のため、筋肉と脂肪のバランスが悪く、骨もモロクなってしてしまう。ということは戦うための食事でなく、単に体を大きくするための食事になってしまっている。
これは親方始め相撲協会が歯止めをかければ幾らでも修正が効くことではないか。
適切な指導を願う。
次なる問題点は千代大海、栃東の綱が見えた時点で行った肉体改造。
自分を変えたいという志は買うが。時期が余りにも遅すぎはしなだろうか。
大関まで上り詰めたことで自らの中に蓄積してきたものを、目の前にぶら下がられたニンジン欲しさに、突然切り換えようと試みても容易く効果は現れるはずはない。
結局、食事に関しては従来の「ちゃんこ」ばかりに頼りきるのではなく、部屋に最低一人くらい栄養士を置くことで適切な体作りを行うようにアドバイスを貰い。
肉体改造にしても基本を形成する四股、てっぽうをベースに科学的な指導が受けられるようなトレーナーと専属契約することも求められるのではないか。
力士に与えられた環境がこのままならば、現在の平均体重約150キロは増加の一途を辿りつづける。
その対策としてはやむをえないが、時折話題に上がるように土俵を広げるしか手立てはない。
さもなければ大相撲とは名ばかりで最近顕著に目立つ、及び腰での引き落としなど時間のかからない省エネ相撲が謳歌することだろう。
手に汗握る、汗しぶきが飛び交う、大男同士の意地の張り合いが長年培われた歴史から消滅する可能性も否定できない。
 まったなし。
国技もいまは制限時間一杯である。
☆公傷制度☆翌場所の休場を余儀なくされる本場所の土俵上のけが」と認められた力士の負傷を救済する制度。
審判委員の現認証明書と医師の診断書により、公傷認定委員(理事)と審判部長、同副部長が協議の上、公傷が認定される。
該当力士は翌場所を全休しても、その次の本場所の番付は変わらない。
昭和46年九州場所で、龍虎がアキレス腱を断裂して休場した例などから、力士の健康管理を考慮する目的で47年初場所から実施された。

 

\ SNSでシェアしよう! /

ミライ:映画・ドラマ・芸能・スポーツ情報の注目記事を受け取ろう

NO IMAGE

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

ミライ:映画・ドラマ・芸能・スポーツ情報の人気記事をお届けします。

  • 気に入ったらブックマーク! このエントリーをはてなブックマークに追加
  • フォローしよう!

関連記事

  • 「泣き虫な私」

  • 「秘蔵っ子 」

  • 「即席のプール」

  • 「何で???」

  • ポーカーフェイス

  • 「無題」