丸刈り(汗の似合う少年)

みっち  ●会社員(57) 

私の通っていた高校は、私が入学した年に長髪が許された。
私たちの先輩達が学校側から勝ち取ったものであった。
当時としては先駆的なものだったように記憶している。

そう言う意味では自由な空気に満ちていた学校だった。
全校朝礼の時に長髪解禁の話が先生から発表された。
「お前達の意思を尊重する。」それが、解禁の理由だった。

ただまだ私も含め多くの学生が丸刈り(汗の似合う少年)を通していた。
運動部に所属していた私は丸刈りのほうが手間がかからないし、毎日一杯汗をかいてのクラブ活動には長髪は邪魔なだけだった。
それともう一つ付け加えれば、色気づく周りの友人をよそに私はただ奥手だっただけなのかも知れなかった。

ただ皆が卒業にあわせて長髪にしていく中で私は頑固に丸刈りを通していた。

卒業式の日、卒業生全員は当然学生服に学生帽で式に臨んでいた。
「卒業生、全員起立!」先生の号令はさらに続いて「全員脱帽!」その時、卒業生400名の中で丸刈りは私一人だった。
式に来ていた母親が後で話してくれたのである。
「丸刈りはあんただけだから、後ろで見ててすぐ分かったよ。それにしてもよう目立ってた。」
「他人と同じようにしとけば、良かったのに!」
母親はそう言って私の顔を見て笑ったものである。

実は丸刈りはもう一人いたらしいが、その彼は受験の為、卒業式を欠席していたとのことだった。
私はどうも昔から少し変わり者であったようである。

 
 

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