中島二三男 ●会社役員 (57)
ある時、弁護士の先生と歓談していた時のことである。
話が裁判のことになり、私は先生に「どちらにしろ、どちらかが嘘をついていると言うことですよね。」と、質問した。
それに対し、先生は「それが必ずしもそうではないんですね。」と、返事をされた。
私は奇異に感じ、
「先生、でも真実は一つしか無いわけでしょ?」と、
切り返した。
先生は、それを受けて「世の中、見る方向が違えば、姿・形も違って見えると言うことですかね。」
穏やかな先生の言葉が何故か心に響いた。
意味は違うかも知れないが、逆も真なり、確かそんな言葉があったと思い出していた。