「友達」

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右筆  ●会社員 (42)

中学一年の頃は毎日3人で通学していた。
帰りも一緒だった。
休みの日も一緒に遊んだ。
そう、僕らはいつも一緒だった。
たまに学校から家までマラソン競争をした。
3人とも負けず嫌いだった。
マラソン競争では優劣はつかなかった。
勉強の方もよきライバルだった。
こちらの方もなかなか優劣はつけられなかった。
そんな3人を引き裂いたのはそれぞれの家の事情だった。
僕は転勤族の父を持っていたため、2年の途中で転校となった。
もう一人は親父さんの転職で他の地へと向かった。
あとの一人は親父さんの事業がうまく行かなかったみたいで郷里に帰っていった。
わずか一年半の付き合いだった。