「俺のたのしみ」

戸梶  ●会社員(43) 

俺の好きな季節が来た。
暑い夜中に汗を流しながら、なおさら暑くなる焼酎のお湯割を飲んで、額の汗が目頭からほほを伝わり、そして胸にポタポタと落ちてゆく。
エアコンも扇風機も動いていない部屋で酔いに任せて下らない事を考えていると、この上ない幸せを感じる。

身体は正常に新陳代謝しているようだ、問題ない。
頭もそれなりに弛緩し狂ってきている、正常だ。
妻はあきれ返って寝てしまった、これは本当だ。

・・・やがて汗が止まる。
ディスプレイが回りだす。
このあたりで幸せと快感は極致になる。
明日は無くてもいいやと、不遜にも思ってしまう。
瞬間、色とりどりの過去がフラッシュバックして意識が遠のく。
泳ぐように寝床に向かい、そして眠る。