「記憶」

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小次郎 ●会社員 (55)

息子たちがまだ小さかった頃のことを思い出していた。
半人前にも満たない父親としての自分がそこにいた。
息子たちに怒っている自分がいた。

何もあんなに怒ることはなかったのに。
理不尽な父親だった。
そう思うと、胸が痛んだ。

そんな出来事を息子たちはもう忘れてしまっているのだろうか。
忘れていて欲しいと思った。

息子たちは成人して、それぞれの途を歩んでいこうとしている。

自分が息子たちにいまさら言うことは無い。
それぞれが自分で途は切り開いて行くだろう。

半人前の父親だけがそこに取り残されている。
一人前になれない父親なら、早いうちに父親なんて看板は何処かに仕舞ったほうがもっと楽になれそうなそんな気がしてきた。